VOL.01 SEP 2023 播州織職人 小林 一光 さん

継承する新しい技
Paradigm shift

村上季と小林一光

手仕事の人と技を訪ねて

結び目巡り

 ものづくりを感じる。普段見れない日常のものづくりを伺う。そんな手仕事を探してものづくりを巡る照明クリエイターの村上。今回訪ねたのは、同じ地元で地場産業播州織の織仕事を営む小円織物3代目の小林さん。今年でちょうど100年目を迎える同社は、新しい織り方を代々生み出す技術の匠の会社。貴重な意見をいろいろ伺えた。

 ものづくりを感じる。普段見れない日常のものづくりを伺う。そんな手仕事を探してものづくりを巡る照明クリエイターの村上。今回訪ねたのは、同じ地元で地場産業播州織の織仕事を営む小円織物3代目の小林さん。今年でちょうど100年目を迎える同社は、新しい織り方を代々生み出す技術の匠の会社。貴重な意見をいろいろ伺えた。

村上が小林から説明を受けている

「祖父も父も新しい織り方を生み出した。だから私も挑戦したいんです。」そういう小林さんの頭上には、県や国から認められた新しい技術や織り方を評価された賞状が並んでいる。「祖父は帰り道でも何か思いつけば、仕事場に帰るような人でした。すごいなぁと思って自分も色々考えるようにしています。」そんな中で小林さんの想いから新しい自身の織り方『影織』『よろけ織』が誕生した。色の濃い色と薄い色がグラデーションしているように見える独特の織り方だ。糸の色を変えているのではなく、織り方でこのように表現している。「これは小円織物でしか作ることができません。」そう自信を持って生地を見せてくれた。もともと他の生地をお客さんが見てる時に「この影が少しくどい。」と言われ、だったらこれをもっとくどい織り方にしたら面白いものができるんじゃないかと思って作り完成した。「そんなに言うなら全部くどくしてやろうと思ったんです。」と笑う小林さん。実直までにものを突き詰める姿はまさに職人だ。実際この織り方で作られたワンピースやシャツは従来の播州織と一風変わった軽やかさとスタイルを生み出している。播州織だからではない、影織だから欲しいと言ってもらえる理由がここにある。

 「祖父も父も新しい織り方を生み出した。だから私も挑戦したいんです。」そういう小林さんの頭上には、県や国から認められた新しい技術や織り方を評価された賞状が並んでいる。「祖父は帰り道でも何か思いつけば、仕事場に帰るような人でした。すごいなぁと思って自分も色々考えるようにしています。」そんな中で小林さんの想いから新しい自身の織り方『影織』『よろけ織』が誕生した。色の濃い色と薄い色がグラデーションしているように見える独特の織り方だ。糸の色を変えているのではなく、織り方でこのように表現している。「これは小円織物でしか作ることができません。」そう自信を持って生地を見せてくれた。もともと他の生地をお客さんが見てる時に「この影が少しくどい。」と言われ、だったらこれをもっとくどい織り方にしたら面白いものができるんじゃないかと思って作り完成した。「そんなに言うなら全部くどくしてやろうと思ったんです。」と笑う小林さん。実直までにものを突き詰める姿はまさに職人だ。実際この織り方で作られたワンピースやシャツは従来の播州織と一風変わった軽やかさとスタイルを生み出している。播州織だからではない、影織だから欲しいと言ってもらえる理由がここにある。

よろけ織りと影織り

よろけ織

線が波打つように見える織物。
その波を織で表現しています。ただのボーダー柄ではない、動きのある織物となっています。

影織

陰影で柄をつくる織物。
ボーダーや山のような影からドット柄などを陰影で表現しています。光に照らされることで、影がより一層引き立ち浮かび上がってみえるように。

よろけ織りと影織り

よろけ織

線が波打つように見える織物。
その波を織で表現しています。ただのボーダー柄ではない、動きのある織物となっています。

影織

陰影で柄をつくる織物。
ボーダーや山のような影からドット柄などを陰影で表現しています。光に照らされることで、影がより一層引き立ち浮かび上がってみえるように。

織物の現場を見せてもらった。乾燥しないように常に一定の温度と湿度が保たれている。それを親父さんと2人交代で機械ごとに回って、問題ないかどうかチェックする。最も印象的だったのは、「糸は生き物」という言葉だ。環境を整えても糸は予期せぬ動きをする。それをしっかり見張って最高の生地を作り出し続けている。

 織物の現場を見せてもらった。乾燥しないように常に一定の温度と湿度が保たれている。それを親父さんと2人交代で機械ごとに回って、問題ないかどうかチェックする。最も印象的だったのは、「糸は生き物」という言葉だ。環境を整えても糸は予期せぬ動きをする。それをしっかり見張って最高の生地を作り出し続けている。

「この技術を伝承したいと思うようになりましたね。」そう語る小林さんは、もともと体育教師を目指していた。祖父から跡を引き継ぐようにと遺言を残されたこともあり、今の織物に従事することになる。作業ひとつひとつの意味を理解するたびに、技術はすごい、この技術を私で終わらせるわけにはいかないと強く思うようになったという。「夢はこの場所で新しい技術者を育てることです。」織機を増やし若い人たちにその技術を伝承していく。そうやって歴史を紡いでいく。小林さんが追いかける夢に思わず目頭が熱くなった。今まで経済情勢で潰れかけたこともあったが、その都度自分たちの技術を磨いて復活してきたという。地場産業の底力を感じた。

 「この技術を伝承したいと思うようになりましたね。」そう語る小林さんは、もともと体育教師を目指していた。祖父から跡を引き継ぐようにと遺言を残されたこともあり、今の織物に従事することになる。作業ひとつひとつの意味を理解するたびに、技術はすごい、この技術を私で終わらせるわけにはいかないと強く思うようになったという。「夢はこの場所で新しい技術者を育てることです。」織機を増やし若い人たちにその技術を伝承していく。そうやって歴史を紡いでいく。小林さんが追いかける夢に思わず目頭が熱くなった。今まで経済情勢で潰れかけたこともあったが、その都度自分たちの技術を磨いて復活してきたという。地場産業の底力を感じた。

VOL.01

播州織職人 
小林  一光 さん

織物工場の3代目。
兵庫県立西脇工業高等学校卒業後、家業の小円織物有限会社に就職。
弊社でしか織れない織物をもっと追及して、お客様に驚きと喜びを与える生地・製品づくりをしていきたい。

Instagram

[小円織物有限会社]

素肌喜ぶ生地を暮らしに。
高度な技術で職人の手から生み出される唯一無二の織り物を作り続けています。

小円織物Instagram

VOL.01

播州織職人 
小林  一光 さん

織物工場の3代目。
兵庫県立西脇工業高等学校卒業後、家業の小円織物有限会社に就職。
弊社でしか織れない織物をもっと追及して、お客様に驚きと喜びを与える生地・製品づくりをしていきたい。

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[小円織物有限会社]

素肌喜ぶ生地を暮らしに。
高度な技術で職人の手から生み出される唯一無二の織り物を作り続けています。

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職人が愛用する道具

小林一光の場合

小林一光の場合

小林一光の愛用の道具

どの仕事にもそれに合った道具がある。明治から100年もの間続く織仕事。きっとそんな道具があるんだろうと聞いてみると、おもむろにポケットから、自身で加工した鉤のようなものを見せてくれました。手元で肌身離さず持っている道具。「これで切れた糸を誘い込んで引っ張ってくるんです。」生きている糸はどうしても途中で切れてしまう。先の丸くなった部分で切れてしまった糸をひっかけて持ち上げ続きの糸と結ぶ。「もともといい感じに先が曲がってないので、自分の角度に調整してひっかけやすいように加工してます。」実際に握っている様子を見ると、手にしっかり馴染んでいるように見えました。私もそうですが、やはり市販されてる道具を自分が使いやすいように馴染ませる。ある意味で身体の一部として使う。そうすればものづくりの精度も上がり、さらに愛情を注げる。工具に自分の一部を乗っけて仕事を行うそんな小林さんの情熱が垣間見れたような気がしました。

 どの仕事にもそれに合った道具がある。明治から100年もの間続く織仕事。きっとそんな道具があるんだろうと聞いてみると、おもむろにポケットから、自身で加工した鉤のようなものを見せてくれました。手元で肌身離さず持っている道具。「これで切れた糸を誘い込んで引っ張ってくるんです。」生きている糸はどうしても途中で切れてしまう。先の丸くなった部分で切れてしまった糸をひっかけて持ち上げ続きの糸と結ぶ。「もともといい感じに先が曲がってないので、自分の角度に調整してひっかけやすいように加工してます。」実際に握っている様子を見ると、手にしっかり馴染んでいるように見えました。私もそうですが、やはり市販されてる道具を自分が使いやすいように馴染ませる。ある意味で身体の一部として使う。そうすればものづくりの精度も上がり、さらに愛情を注げる。工具に自分の一部を乗っけて仕事を行うそんな小林さんの情熱が垣間見れたような気がしました。

インタビューから
生まれた商品

インタビューから生まれた商品

 インタビューの中で知った物語を元に村上が照明器具をデザイン設計。製造者の想いや情熱が感じられる素材を贅沢に使って商品に仕上げる。今回訪ねたのは自身で模様を考案した小円織物。伝統と新しい時代を感じていただければと思います。

 インタビューの中で知った物語を元に村上が照明器具をデザイン設計。製造者の想いや情熱が感じられる素材を贅沢に使って商品に仕上げる。今回訪ねたのは自身で模様を考案した小円織物。伝統と新しい時代を感じていただければと思います。

PILLAR 【ピラー】

PILLAR 【ピラー】

PILLAR 【ピラー】

播州織が織りなす陰影が浮かび上がるテーブルライト。点灯時も消灯時も人の生活を照らし出す。

LED電球60W相当
W22×L22×H41 cm

PILLAR 【ピラー】
PILLAR 【ピラー】

播州織が織りなす陰影が浮かび上がるテーブルライト。点灯時も消灯時も人の生活を照らし出す。

LED電球60W相当
W22×L22×H41 cm

PILLAR 【ピラー】

CANELE 【カヌレ】

CANELE 【カヌレ】

CANELE 【カヌレ】

ガーゼ生地の風合いを生かしたフロアライト。独特の柔らかい印象が部屋全体を優しく演出する。

LED電球100W相当
W30×L30×H53 cm

CANELE 【カヌレ】
CANELE 【カヌレ】

ガーゼ生地の風合いを生かしたフロアライト。独特の柔らかい印象が部屋全体を優しく演出する。

LED電球100W相当
W30×L30×H53 cm

CANELE 【カヌレ】

CONTACT

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小円織物をもっと知りたい ▼

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小円織物の商品を買ってみたい ▼

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